日本酒の「冷や」は冷えてない⁉温度で味が変わる趣ある楽しみ方

みなさんは、日本酒を飲む際の温度にこだわっていますか?日本酒は、温度によって香りが引き立ったり、引き締まったり、キレがよくなったりとさまざま変化を楽しめるお酒です。
実は、私たちが日頃から楽しんでいる日本酒の状態「冷や」は、冷えていない状態の日本酒を指す言葉なんです。
そこで今回は、どうして「冷や」が冷たい日本酒ではないのかを解説していきます。冷やにぴったりのオリジナルレシピと日本酒もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
日本酒は「冷酒」「冷や」「燗」の3段階の温度によって呼び名が変わる
日本酒は、大きくわけると3種類の温度に分類されますが、細かく分けると10種類もの温度に分類できます。
下記では、大枠の3種類の温度帯に加えて細かい種類もご紹介していきます。
日本酒の「冷酒」とは

ヒヤッと冷たい日本酒のことを指す「冷酒」は、冷蔵庫で冷やしたり、氷水で冷やしたりすることで楽しめます。大きく分けて3種類に分けられ、5度刻みの違いで「涼冷え(すずびえ)」、「花冷え(はなびえ)」、「雪冷え(ゆきびえ)」と区別されます。
冷やされた日本酒は、香りがより引き締まり清涼感のある味わいに。日本酒のアルコール感や強い香りが緩和されるため、日本酒初心者の方におすすめの温度です。
冷たすぎない「涼冷え」
だいたい15度の日本酒を指す「涼冷え」は、冷たすぎず、ぬるすぎず、鼻がツンとすることもないちょうど良い温度。冷蔵庫から取り出してしばらく経ったくらいが「涼冷え」の目安です。
一般的な「花冷え」
10度くらいの日本酒を「花冷え」といいます。「花さえ冷たくなる温度の日本酒」といわれ、香りが引き締まり繊細な味わいが特徴です。
キンキンの「雪冷え」
冷酒の中でも1番冷たい温度を表すのが「雪冷え」。「雪のように冷たい温度」といわれ、5度くらいのキンキンに冷えた状態のことを指します。香りがシャープで、清涼感を感じる味わいです。
日本酒の「冷や」とは
日本酒において「冷や」とは、一般的に常温の状態を指します。しかし「冷や」というと漢字の通り、冷たいものが提供されるイメージが強いです。
これは、まだ冷蔵庫がない時代、日本酒の提供温度が「冷や」と「熱燗」しかなかったので、その名残で現在もそのように呼ばれています。当時は一番冷たい温度が「冷や」だったことから名付けられています。
そのため冷蔵庫が登場した今でも、日本酒において「冷や」は常温の状態が一般的とされて、冷やしたものを「冷酒」と呼んでいます。
居酒屋やお店で冷たいお酒を注文するときは「冷酒」をお願いすると良いでしょう。
日本酒の「燗」とは

冷蔵庫や氷水で冷やした「冷酒」に対して、温めた状態の日本酒を燗酒と呼びます。こちらも5度刻みでそれぞれを「日向燗(ひなたかん)」、「人肌燗(ひとはだかん)」、「ぬる燗」、「上燗(じょうかん)」、「あつ燗」、「飛びきり燗」と区別しています。
一番ぬるい「日向燗」
熱燗の中でも一番ぬるい「日向燗」は、だいたい30度。日向のようにポカポカと暖かく、口の中でフワッとお米の香りが広がります。
やさしい味わいを楽しめる「人肌燗」
人肌くらいの温かさを感じる「人肌燗」は、だいたい35度。ややぬるいくらいで、お米の香りが柔らかく漂います。アルコール感もまろやかになり、飲みやすい温度です。
サクサク飲める「ぬる燗」
やや熱さを感じる程度の「ぬる燗」は、だいたい40度。寒い日に嬉しい温度で、お米の旨味やコクをまろやかに感じます。
少し熱さを感じる「上燗」
口に入れた瞬間、ちょっと熱さを感じるのが「上燗」。だいたい45度で、お米の旨味とキレを感じる温度です。
寒い日の定番「熱燗」
飲食店でよく耳にしたことがある「熱燗」は、だいたい50度。寒い冬に体の芯から温まるくらい熱く、お米の香りや甘みをふくよかに感じます。
アツアツの「飛び切り燗」
熱燗の中でも、1番熱い温度を指すのが「飛び切り燗」。名前の通りとびきり熱く、その温度はだいたい55〜60度ほど。そのままで飲むのは火傷をしてしまうほど熱いので、息を吹きかけて飲むのがおすすめです。香りが強く、日本酒のキレを楽しむにはこちら。
>>関連記事:【美味しい燗酒の作り方】道具から作り方まで徹底解説
日本酒は温度によって楽しみ方が変わる
温めた場合、お米の味わいがよりまろやかになったり、アルコール感が緩和されたり、さらには、やや辛口になったりと温度を上げることでキレの良い日本酒を楽しめます。
一方で冷やは、日本酒の旨味や甘みを柔らかな状態にし、飲みやすくしてくれるという効果があります。冷やすことで日本酒特有の苦味が減り、日本酒初心者の方でも飲みやすい味わいになります。
このように、日本酒は温度によってさまざまな味わいを楽しめるお酒です。ご自身の好きな温度帯を探してみてはいかがでしょうか。
「冷酒」なら兵庫の日本酒『SHUSHU』がおすすめ

もしつめたい冷酒でおいしい日本酒を探しているなら、ボトルも可愛い『SHUSHU』はいかがですか?「日本酒をもっとカジュアルに飲んでもらいたい」をコンセプトに、兵庫県の酒蔵「沢の鶴」が手がけています。
淡い色でデザインされたボトルは、日本酒らしくない手軽さが売り。男女問わず手に取りやすい日本酒に仕上がっています。
これまで日本酒を飲んだことがない人でも飲みやすいよう、味わいはフルーツのようにフルーティー。心地良い味わいで、初めて日本酒に触れる方にもおすすめです。もちろん、冷やで。
『SHUSHU』の商品情報
【銘柄】SHUSHU Light
【価格】330円(税込)
【酒質】日本酒度 −23/酸度 1.2
【アルコール分】8.5度
【製造元】沢の鶴株式会社
【HP】詳しい情報はこちらから
『SHUSHU』と相性が良いおつまみ

今回は、冷やでおすすめの『SHUSHU』に合わせた簡単おつまみレシピをご紹介します。
「ワカサギの南蛮漬け」の使用材料
【材料 2人分】
ワカサギ 200g
塩(下処理用) 適量
薄力粉(まぶす用) 大さじ2
新玉ねぎ 50g(1/4玉)
人参 30g(1/4本)
揚げ油 適量
小ねぎ 適量
▼南蛮ダレ
酢 大さじ4
Aだし汁 100ml
Aしょうゆ 大さじ3
Aみりん 大さじ3
A砂糖 大さじ1
A「レモスコ」 小さじ1/2~1
A鷹の爪輪切り 小さじ1/2
「ワカサギの南蛮漬け」の作り方
前処理:ボウルにワカサギと塩を振って軽くもみ混ぜ、流水で洗い流します。肛門あたりを軽く押し、汚れを取り除きます。

①新玉ねぎは薄切りにし、人参は千切りにします。
②鍋にAを入れ弱火にかけ、ひと煮立ちしたら酢を入れて混ぜ、火から下ろします。
③ボウルに①、②を入れて混ぜます。
④ワカサギに薄力粉をまぶします。160℃ほどの揚げ油で火が通るまで加熱し、③に入れます。

⑤30分以上置いてから器に盛り付け、小ねぎを散らして完成です。
『SHUSHU』と楽しむ名産品
今回ご紹介した簡単アレンジレシピ「ワカサギの南蛮漬け」はもちろん、ほかの地域の名産品と一緒に味わうと、より『SHUSHU』を楽しめます。甘くてみずみずしい玉ねぎを使用したレシピや、歯ごたえの良い明石タコなどと一緒に味わってみても良いですね。
丹波焼/リムプレートの商品情報

「ワカサギの南蛮漬け」の良いアクセントになっているのが、白くてふんわりとした丹波焼のリムプレート。優しい印象を与え、食卓にホッとする瞬間をもたらします。
丹波焼とは、兵庫県篠山市今田周辺で作られる陶器のこと。素朴な風合いが魅力で、主張しすぎない柔らかさが特徴です。パスタやサラダなどどんな料理にも合うお皿で、毎日使いたくなってしまう愛らしさが溢れていますね。丹水窯 丹波焼リムプレート
【価格】3,080円(税込)
【HP】詳しい情報はこちらから
瀬戸内レモン農園/レモスコの商品情報

「ワカサギの南蛮漬け」に使用したのは、TVで紹介されたこともある「レモスコ」。広島県の新感覚辛味調味料として、タバスコを使用する感覚で料理のアクセントにぴったりです。
体に悪影響を及ぼす化学調味料は使用せず、フレッシュな瀬戸内産レモンと九州産の青唐辛子を用いて、すっぱ辛い味わいを実現しました。唐揚げやピザなどのコッテリなものから、お魚や野菜サラダなどのさっぱりしたものまで、どんな料理にも合う優れもの!
一家に一本あれば「ちょっと物足りないなあ」という味わいのとき「レモスコ」であっという間に味変できちゃいます!
新鮮なレモンの味わいが毎日食卓で楽しめる、クセになる調味料です。瀬戸内レモン農園/レモスコ 60g
【価格】432円(税込)
【HP】詳しい情報はこちらから
日本酒の温度変化で楽しもう
今回は、冷やにぴったりな日本酒『SHUSHU』と簡単アレンジレシピ「ワカサギの南蛮漬け」をご紹介しました。自宅で簡単に作れるので、ぜひチャレンジしてみてください。
日本酒は、温度によって楽しみ方がさまざま。あなたに合った温度を見つけてみるのもおすすめです。
本記事は日本初、日本酒専門の体験促進型WEBサービス『SYULIP』に、酒小町が寄稿した記事を転載しています。
企画協力
SYULIP
SYULIPは「体験」≒「実際に日本酒を飲む」キッカケを提供するコンテンツを中心に配信しています。百聞は一見に如かず。さらに百回見るより一度の体験や経験にまさる感動は無いと考えています。様々な情報が溢れる現代、SYULIPは体験を通じユーザーに驚きや感動を与えるコンテンツを発信し続けます。
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