学生から見た日本酒の世界 卒業制作インタビューvol.2

今年の頭から現在にかけ、中国武漢発祥のウイルス「コロナ」が日本でも猛威を奮っています。
コロナの影響は、企業だけでなく学生達にも及び、政府の休校要請により卒業式や卒業制作展示会が中止になってしまうことも。
今回は、ツイッター上で大きなムーブメントを起こした、桑沢デザイン研究所の学生たちのなかから日本酒にゆかり深い、日本酒にまつわる素敵な作品を見つけたので、制作者インタビューとともにご紹介いたします。
桜の花びらをモチーフにした、華やかな飲みくらべセット「くらべ桜」
春のあたたかなひと時を演出するのに一役買うこと間違いなしな、かわいらしい作品を制作したのは、桑沢デザイン研究所の学生であるわたしょうさん。在学中はビジュアルデザインを専攻していました。
酒小町では、作品制作への想いや、日本酒に対する印象などをインタビューしていきます。
Q1.作品のコンセプトを教えてください
「くらべ桜」とは、桜をモチーフにした日本酒のボトルです。
桜の花が咲き誇る木々のもと、みんなで楽しむお花見の場でのコミュニケーションを更に増やすため、「飲みくらべ」「利き酒」のアクションをデザインにしました。お花見の場に合う、桜の丸みが優しく包みこむ形が特徴の日本酒ボトルです。
Q2.「さくら」「利き酒」「日本酒」に焦点を当てた理由を教えてください
photo by セバスチャンSammer
私はお花見が大好きで、毎年桜の時期になると公園に行ってお花見をします。お酒を飲めるようになった1年前から更にお花見が楽しくなり、「お花見の場に合う美しい日本酒ボトルを制作したい」と思うようになりました。
また、居酒屋でアルバイトをしている時、お客さん同士が利き酒をして盛り上がっている様子を見てきたので、「お花見の場でも利き酒ができないか」という思いも重なり、桜をモチーフにした日本酒を制作しました。
Q3.デザイン、制作する上で力を入れたところ、印象深かったエピソードなどがあれば教えてください
最初の工程の粘土で原型を作ることに力を入れました。
特に意識したのは、桜を丸みのある優しい形に成形することです。少しでも歪みがあると、シリコン型に空気が入り、後にあるヤスリがけの工程がとても大変になります。
また、一番苦労した工程は、固まった樹脂(日本酒ボトル本体)をヤスリで磨く作業です。とても地味な作業ですが、しっかりと磨かないと大きい凹凸があったりと作品自体のクオリティが下がってしまうからです。
ヤスリで磨く作業をクリアした後に、5種類それぞれの桜の着色をする作業では、綺麗な中央から外にかけてのグラデーションが上手くいき、ヤスリがけをしっかりした甲斐がありました。
Q4.作品の楽しみ方を教えてください
「くらべ桜」は、お花見の時に5種類の桜のお酒を飲みくらべ、利き酒をしながら会話を楽しんでいただく日本酒として制作しました。
桜の中心が注ぎ口になっていて、半透明の丸いものがキャップになっています。
岡持ちの中は6段になっていて、上5段それぞれに日本酒、一番下の段にお猪口が収納されています。
購入後すぐに、お花見が出来るような想定で制作しました。
Q5.日本酒にどんな印象を持っていますか?
今回制作した作品にはお酒が入っていない、いわゆるパッケージのデザインモデルを制作しています。
私自身お酒を飲みますが、日本酒は私よりもっと大人の方が飲むお酒だと思っていて一度も飲んだことがありません。去年の12月まで居酒屋でアルバイトをしていて、日本酒の頼む方は年齢層が高めだったので、私にはまだ早いものだと思っていました。
今回日本酒ボトルを制作して、お花見の時に日本酒を飲んで楽しんで見たいと思ったので、今年は日本酒に挑戦したいです。
Q6.本作品をどんな方に使って欲しいですか?
性別問わず若い方々にも手に取りやすいデザインしているので、幅広い層でお花見を楽しむ方、楽しみたい方に飲んで欲しいです。
作品画像
作者プロフィール
わたしょう
桑沢デザイン研究所 ビジュアルデザイン科所属
ライター:ごまちゃん
写真:わたしょう