酒蔵じゃないからこそ。吟天が届ける、日本酒×宝塚OG×フレンチの魅惑の新体験とは

フレンチやイタリアンに行くと、当たり前のようにワインリストが並ぶ。それは本当に”正解”なんでしょうか?
2026年6月28日(日)、神戸・北野の高台で開かれた「吟天ランチペアリング—高級フレンチと宝塚OG トリプリングランチ〜美酒と美食、特別な時間を〜」に参加した私はそんな問いをもらいました。
こちらは吟天の日本酒と高級レストランのお料理ペアリングを楽しみつつ、宝塚OGによる歌とトークを楽しめる、3倍楽しいトリプリングイベント。「吟天×宝塚OGの華酔倶楽部」の名で、東京・神戸にて毎月2回開催されています。
主催は、日本酒セレクトショップ「吟天」代表の小田切崇さん。日本酒の魅力を海外や後世に伝えるべく、従来の概念を変える体験を届けつづけている吟天が、今回新たにアンバサダーとして迎えたのが、元宝塚歌劇団星組の侑蘭粋さんです。
日本酒とフレンチ、そして宝塚。一見バラバラに思えるこの組み合わせ、実際どんな化学反応を起こすのか?当日の様子をレポートしていきます!

吟天代表 小田切 崇氏
日本IBM勤務の傍ら日本酒道30年、唎酒師歴25年。2017年、日本酒の地位向上を志し「吟天」を設立。酒蔵ではない立場だからこそ、ペアリングという切り口で日本酒の新たな魅力を届けている。

吟天アンバサダー 侑蘭粋氏
宝塚歌劇団OG。星組娘役として7年間活躍し、2024年に退団。定評のあったダンス力を活かし、現在は都内でダンススタジオ「&Studio」を主催。2026年4月に吟天アンバサダーに就任。
北野クラブに集った、日本酒と宝塚を愛する人たち

会場は、神戸・北野の高台に佇む「北野クラブ」。当時まだ珍しかったフレンチをいち早く取り入れ、ジャズとダンスを楽しみながら食事をする、大人の社交場として愛されてきた場所です。
シンボルの「ダンデライオン」には「ここから物語を始めた人が、素敵な花を咲かせますように」という願いが込められているんだとか。新しい日本酒の物語がスタートするこの日にぴったりの舞台ですね。

集まったのは日本酒と宝塚、それぞれをさまざまな角度から愛する人たち。会の冒頭では、侑蘭粋さんが宝塚の代表曲「すみれの花咲く頃」の歌を披露していただき、一気に会場の空気が華やかになりました。

先行披露!7月3日発売『GINTEN Ciel』で乾杯

今回のペアリングランチの乾杯を飾ったのは、7月3日発売の『GINTEN Ciel』。実は正式発売に先駆けた先行披露で、小田切さんご自身もお料理と合わせて飲むのはこの日が初めてだったそう!

山田錦を使用し、扁平精米で50%まで磨いた純米大吟醸クラス。お米は吟天専属の田んぼにて農薬も有機肥料も使わず育てた自然栽培米だとか。
醸造は鳥取の千代むすび酒造さんによる、本格的なシャンパンと同じ瓶内二次発酵という伝統製法を使用しています。
同じ蔵から発売されている、別のスパークリング日本酒は米の甘みを活かすタイプですが、この『GINTEN Ciel』はお料理の味をさらに引き立てる緻密な設計であえて酸を効かせているのが特徴です。
また、発売前にもかかわらず、2026年度Kura Masterのサケスパークリング賞で金賞を受賞するなど、数々の賞を獲得しています。
Kura Masterはフランス人ソムリエやレストラン関係者など、現地の飲食のプロフェッショナルが審査する、フランス発の日本酒コンクール。
つまり、フランスの美食のプロたちに認められた一本ですね。

最初に合わせたのは、鮎のリエットにヨーグルトときゅうりのジュレを重ねたアミューズ・ブーシュ。兵庫県加西市・岡田農場のフルーツトマトと生ハムも一緒に。
雑味なく澄み切った、繊細な酸がすっと喉を通っていくのが心地よいです。
続く二皿目は、藁でスモークしたカツオと小さな彩り野菜。燻製パプリカと赤ピーマンをベースにしたソースとともにいただきます。
添えられたパンには、スペイン・マジョルカ島産のオリーブオイルを。ノーベル賞の祝賀パーティーでも使われるという贅沢な一品です。
カツオの燻製感をしっかり感じる一品でありながら、『GINTEN Ciel』の泡と酸がすっと味を洗い流してくれ、次の一口がまた新鮮に感じられました。

フレンチでは定番とされている「白身魚×白ワイン」の組み合わせですが、固定概念に縛られず、日本酒を合わせる新しいペアリングを提案している小田切さん。
その提案通り、繊細な鮎や燻製感の強いカツオにも、心地よく柔らかい酸の立つスパークリング日本酒が寄り添います。
ちなみにこの山田錦はイベント参加者自身が植えたお米!吟天では専用の田んぼに参加者を招いて、田植え・稲刈りを一緒に行うイベントを定期的に開いているそう。
日本酒とお料理の掛け算が花開く『吟天花龍』

三皿目に合わせたのは『吟天花龍』。こちらも自然栽培の田んぼで作られた山田錦から生まれた純米大吟醸。
発売2年未満で国内外7つの賞を受賞しています。美酒コンクール2025のフルーティ部門金賞のような味の評価もあれば、同コンクールの美酒ラベル賞のようにデザインが評価された賞もあるのが面白いところ。
こちらに合わせたのは、淡路島のえびすもち豚を使った肩ロースのグリエ。緑胡椒とラルドの香り、木の芽とコニャックの風味をまとった、しっかり味のある一皿です。

『吟天花龍』の芳醇な香りは、脂がのり、しっかり味のついた豚肉に負けず、お花のような香りがしっかり最後まで残っています。
「日本酒好きな方のなかには、日本酒だけを味わう人も多い。そんな方にこそ、お料理と日本酒の掛け算の美味しさを知ってもらえたら」という小田切さんの言葉が印象的でした。
そしてこの吟天花龍にはもうひとつ知ってほしい物語があります。
海外の食通の方へ日本酒の価値を伝えるには、味だけじゃなく見た目の説得力も大事なため、ラベルも幾度と試行錯誤。
モチーフの「龍」は覚えてもらいやすい縁起物として選んだそうですが、漢字表記だと中国圏には響いてもフランスでは読めない、アルファベットにすると今度はワインと間違われる。
試行錯誤の末、漢字を軸にキーワードだけローマ字を添える形に落ち着いたそうです。一文字のレタリングまでこだわり抜くその姿勢が数々の受賞にもつながっているのですね。

熟成酒はハードルが高い?そのイメージを覆す「龍王」
四皿目に合わせたのは『吟天龍王』。兵庫県の蔵元・龍力さんとのコラボレーションで、20年・8年・3年と熟成年数の違う原酒をブレンドし、瓶詰め後さらに1年寝かせるという、まるでブランデーのような作り方をしているのが特徴です。
それでいてアルコール度数は14度。概ね16〜18度が多い熟成酒と比べると非常に飲みやすい。私のように普段熟成酒を飲み慣れていない方にも心地よく喉に馴染む味わいです。

以前の和食のペアリング会で女性ゲストから「おかわり」の声がたくさん上がったのがこの『吟天龍王』だとか。ちなみに侑蘭さんも「一番好き」とおっしゃっていました。
さらに、女性審査員だけで審査を行うユニークなコンクール「フェミナリーズ」でも、高い評価を得ています。
合わせたのは、マグレ鴨胸肉のグリエ〜黒オリーブ風味のソース。鴨の旨みに黒オリーブの香り、万願寺とうがらしと玉ねぎのローストが彩りを添えます。
『吟天龍王』の熟成香が鴨の脂を優しく包み込んでくれました。

このお酒が生まれたのは、小田切さんがフランスの二つ星レストランに吟天のフラッグシップである日本酒『吟天光龍』を持ち込んだことがきっかけでした。返ってきたのは「美味しいけれど、透明だからダメだ」という言葉。
そこで長年フレンチやワインにも親しんできた経験を活かし、とっさに「赤ワインのタンニンと肉料理を合わせる感覚ですか?」と自ら仮説を立てて尋ねます。
すると「それもあるけど白ワインでも同じように断られる。色そのものが必要なんだ」と言われたそう。
評価されるために足りないのが色の弱さだとすぐ気づき、「ブランデーみたいなものがいいのか」とすり合わせ、その場で先方の合意を得ます。
そこからジビエや脂ののった鴨、猪、フランス料理でよく使われる仔牛をイメージして、ブランデーのような色みと香りを目指し、試行錯誤を重ねてできあがったのが、この『吟天龍王』なのです。
正解はひとつじゃない。会話から見つかるお気に入りのペアリング

締めくくりは、季節のオリジナルデザート二種。
ひとつは、特殊なくぼみのある専用皿にそっと盛られた一皿。メレンゲに桑の葉茶のアイスクリームを重ね、マンゴーソースとエディブルフラワーパウダーを添えて。
繊細なクリスプが立体的にあしらわれていて、まるで小さなアート作品のような佇まいでした。
もうひとつは小さな白いボウルの中に、ギネスビールのムースとクラフティ、メロンソース、フレッシュメロン。
その上には、自家製のジンジャーエール氷菓子がしゃりっと重なり、エルダーフラワーアイスクリームの華やかな香りがふわりと広がります。冷たさと爽やかさが層になった、遊び心満載の一皿でした。

さらに、小さなプチデザートも登場!

※別回ではこのような三段トレイで提供されることもあるそう
デザートを楽しみつつ、リラックスモードで同席した方と、「龍王の余韻に浸りながらだと、すごくマッチする」なんて会話も。こんなふうに会話の中から自分だけのお気に入りペアリングが見つかるのも、楽しみ方のひとつですね。
また、このイベントには3年間、毎回通っているという吟天ファンの方も!「普段は様々な価格帯の日本酒を楽しんでいるけど、長年日本酒とさまざまなお料理に親しんできた小田切さんだからこそのペアリングに毎回驚きと発見の連続」なんだとか。
食卓の上でも、舞台の上でも。挑戦するからこそ出会える「驚きと感動」

「驚きと、感動をもたらす、”究極のペアリング酒”」。吟天がそう謳うように、一杯一杯に自分だけの発見や驚きが隠れているのが、このペアリングランチの醍醐味なのかもしれません。
30年間日本酒を愛し続け、その地位を上げるため、数々のコンクールで賞を取れるよう試行錯誤を重ねてきた小田切さんだからこそ、生み出せるものなのですね。
そんな吟天にアンバサダーとして寄り添う侑蘭さんは、宝塚を退団してもなお、違った形で魅せ方を磨き続けているお一人。
挑戦するからこそ出会える体験は、食卓の上でも舞台の上でも、実は同じなのかもしれません。
日本酒と様々なお料理、そして宝塚。今後この組み合わせがどんな「驚きと感動」を届けてくれるのか、気になった方に朗報です!次回の華酔倶楽部のイベントが決定しております。詳細は以下の通りです。
「吟天×宝塚OGの華酔倶楽部トリプリング」
日時:11月1日(日)12:30〜
会場:ラ メゾン ドゥ グラシアニ 神戸北野
住所:兵庫県神戸市中央区北野町4-8-1 グラシアニ邸
内容:フレンチに吟天のフルペアリング、宝塚OGによる歌唱トリプリング
出演:留依まきせさん、侑蘭粋さん
そして参加者同士の絆が生まれ、自分の作ったお酒が世界に羽ばたくかも?稲刈り体験も、その前日に行われます!
「吟天×宝塚OGの華酔倶楽部 稲刈り体験」
日時:10月31日(土)
会場:兵庫県小野市(吟天自然栽培山田錦の田んぼ)
なお、上記イベントの詳細やそのほかの定期イベントについては、こちらの特設ページからご確認いただけます。
ぜひ、一皿一杯の驚きと感動を、あなた自身の五感で味わってみてくださいね!
日本酒コミュニティ『酒小町』
20代から30代の「お酒の場と、交流が好き」な人たちが集まる日本酒コミュニティ『酒小町』。
「日本酒好きのあそび場」をコンセプトに、年齢も職業もバラバラの個性豊かなメンバーが混ざって乾杯する憩いの場。飲み会以外にも、日本酒について学んだり、自分たちであそびを企画したり……誰もが自分らしく楽しめるようなサードプレイスをつくっています。
『酒小町』は、毎月1日〜10日の期間にメンバー募集をしています。募集開始時にはLINEアカウントでお知らせをしているので、ぜひ登録して続報をお待ちください!

酒小町 | 日本酒を、もっと身近に楽しむメディア&
今回紹介した日本酒セレクトショップや店舗など
吟天(GINTEN)
住所:〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町2丁目5−6 日本橋大江戸ビル 5階
電話番号:03-6661-037
日本酒オンラインショップ:https://ginten.tokyo/
Instagram:https://www.instagram.com/ginten_chefsake/
YouTube:https://youtube.com/@ginten_chefsake?si=5zoML-jfddrck4SI
北野クラブ
住所:〒650-0002 神戸市中央区北野町1-5-7
電話番号:078-222-5123 ご予約専用 : 078-222-5173
Web:https://www.kitanoclub.co.jp/restaurant/
Instagram:https://www.instagram.com/restaurant_kitanoclub/









