どのカテゴリーでもないお酒を造りたい。クラウドファンディングで届ける美味しいWAKAZEのお酒と、今までにないストーリー

普段はなかなかお話することのできないお酒造りのプロにお会いして、お酒造りへの想いや物語をお聞きする酒小町のインタビュー企画。

日本酒通でもなかなか知らないここだけのお話を、初心者でもわかりやすく楽しめる文章でお届けしていきます。

今回は山形県鶴岡市にある、株式会社WAKAZEの代表の稲川琢磨さんにお話を伺いました。

日本酒でもワインでもない、どのカテゴリーでもないお酒を造りたい。

ーーはじめまして、酒小町の卯月、伊藤、金子と申します。WAKAZEさんがどのような酒蔵なのか聞かせてください。

稲川さん(以下、敬称略):WAKAZEは2016年に設立したばかりの新しい日本酒メーカーです。山形県を拠点に、契約する3つの酒蔵さんで「委託醸造」という形で自社ブランド商品を開発・生産してきました。

伝統的な技術をリスペクトしつつ、今までにない新しい概念を日本酒造りに活かして、イノベーションを起こしていくことをテーマに掲げています。

今までの日本酒やワイン、ビールといったどんなお酒にもないカテゴリーのお酒を創り、日本酒の概念をアップデートしていく集団です。

今年の7月には東京・三軒茶屋に自社の醸造所とバーを併設させた、SAKEブルーパブ「WAKAZE三軒茶屋醸造所/Whim Sake & Tapas」をオープンさせました。

ーーどんなお酒にもない、新しいカテゴリーのお酒!具体的にはどのようなお酒なのでしょうか?

稲川:WAKAZEにはワイン樽熟成の日本酒のORBIAと、和が薫るボタニカルSAKEのFORIAの2つのブランドがあってどちらも洋食と合わせやすく、香りが楽しめるお酒です。ワイングラスで飲んでいただいたり、味の濃いお料理にも負けないような種類のお酒があります。

洋食とも合わせやすいWAKAZEのお酒。ペアリングのポイントは料理を決めてしまうこと。

ーーWAKAZEさんのお酒は洋食と合わせやすいとのことですが、料理とのペアリングで意識していることはありますか?

稲川:この1皿には100%WAKAZEのお酒が1番合うというように、先に合わせる料理を想定してしまうのがポイントです。

例えばSORRAというお酒は白味魚のカルパッチョに合わせるイメージで造られました。すると、その料理に近い要素を持つ料理にも、合わせやすくなりますよね。

ーーお酒を造ってから料理をイメージするのではなく、料理から逆算して造っているのですね!

稲川:ぜひスパイシーなタイ料理や中華料理などのジャンルの料理とのペアリングも、試してみていただければと思います。

ーー洋食だけでなく、タイ料理などいろいろなジャンルの料理とも楽しめるのですね。

稲川:たとえばSORRAやTETTAには柚子や山椒を使って、タイ料理などの香辛料に負けないようなしっかりした味にしました。さらにSORRAには檸檬、TERRAには生姜も使っています。

稲川:中華料理はよく山椒が使われるのでSORRAやTERRAが合わせやすいように、お酒と料理の合わせるポイントの多い方がペアリングしやすいので、意識して酒造りをしています。

ーーー合わせる料理のイメージがあると、飲食店さんもおすすめしやすいですね。

普段、日本酒をあまり飲まない女性でもチャレンジしやすいWAKAZEさんのお酒を教えてください。

稲川:トロッとした甘みとスッキリとした酸味が飲みやすくて、白ワイン樽由来の余韻の長い香りが楽しる、LUNAがおすすめです。

稲川:もうひとつおすすめなのがSORRAで、ライチのような華やかなフルーツ感の溢れる香りと、爽やかな柑橘のような酸味と辛口の後味が、乾杯酒などに心地よいお酒です。

ーーWAKAZEさんのお酒を、お家で飲むときに合わせるオススメなおつまみがありましたら、教えてください。

  • ・LUNA:いぶりがっことクリームチーズ、レバーパテ
  • ・SOL:ウォッシュタイプのチーズ
  • ・GAIA:レーズンのマスカルポーネチーズ和え
  • ・SORRA:白身魚のカルパッチョにオリーブオイルをかけて、レモンを軽く搾ってバジルを添える
  • ・TERRAに合わせて:豚の生姜焼き

稲川:先ほども言ったように、合わせる料理を想定してお酒を造っているので、特におすすめできる相性バッチリのおつまみです。

美味しいのは当たり前。クラウドファンディングで美味しいお酒と今までにないストーリーを。

ーーWAKAZEさんのブランド、ORBIAとFORNIAはクラウドファンディングによって開発されたお酒なのですよね。

※クラウドファンディングとは、専用のインターネットサイトを通じて、世の中に呼びかけ共感した人から広く資金を集める方法。

稲川:はい。クラウドファンディングは過去に4回挑戦して、毎回たくさんの方の支援をいただき、成功させることができました。今ではもう、挑戦しない手はないと思っています。

ーー毎回目標を大きく上回って成功されていて、すごいです!たくさんの方がWAKAZEさんのお酒を楽しみに待っているということですね。

稲川:美味しいお酒を届けることは当たり前だと思っています。美味しさはもちろんですが、インパクトが出るようなデザインにしたり、面白さも届けられるようにしています。

稲川:あとは生産地に実際に足を運んでいる様子を伝えたり、ストーリーにもこだわっていて、マニアックなこともマニアックすぎないようにして伝えています。

世の中に出ていないものの価値を、みんなが期待して支援してくださって実現しているので、「次は何をするの?」とよく聞かれるようになりました。クラウドファンディングは我々の、どのカテゴリーでもないお酒を造りたいという想いと親和性があるのだと思います。

ーーーストーリーを聞くとよりお酒を楽しんで飲むことができますし、ファンになりますよね。

WAKAZEさんが今後取り組んでいきたいことや、挑戦したいことがありましたら教えてください。

稲川:これまで日本酒には関与してこなかったような多様な造り方や菌を使いこなして、日本酒の概念を覆してどんなカテゴリーのお酒でも引き出すことができなかったような味わい、香り、料理とのペアリングを実現できるような酒造りに挑戦したいと思っています。

その1つのステップとして、まずはパリで酒蔵を立ち上げて、様々な文化も吸収しながら日本酒を世界酒にするための1歩を踏み出そうと思っています。毎年新しいことに挑戦しているので、これからもどんどん新しいことは挑戦していきたいです。

ーーパリで酒蔵を立ち上げるのですか!まさに日本酒が世界酒になる瞬間ですね。最後にお酒を愛する全ての女性に、伝えたいことやメッセージをお願いします。

稲川:肩肘張らずに、先入観もおいておいて、リラックスして色々な種類のお酒を試してみてほしいです。そうしてお気に入りをたくさん見つけていく中で、我々の作るお酒がその1つに入っていれば嬉しいです。

ーー今後も新しいことに挑戦するWAKAZEさんに注目ですね。

パリにも酒蔵ができると聞いて、こちらまでワクワクしてきました。現在2019年には、単身でパリに乗り込んで酒蔵をつくる挑戦を続けていらっしゃるそう。その奮闘記はこちらから確認できます。稲川さんの、次に進んでいく姿、ぜひご覧になってください!

【特別連載】食の都・パリで酒蔵を創る! 日本酒ベンチャーWAKAZEの挑戦をリアルタイムに!

企画協力

稲川琢磨さんプロフィール

株式会社WAKAZE 代表取締役CEO。
慶應義塾大学理工学研究科卒業後、外資系戦略ファームBoston Consulting Groupでコンサルタントとして2年勤務後、退社して株式会社WAKAZEを創業。 蔵を持たずに斬新なコンセプトの日本酒を造る委託醸造メーカーとして、山形県鶴岡市を拠点としてワイン樽熟成日本酒「ORBIA」やボタニカルSAKE「FONIA」を開発し、国内30都道府県・海外7カ国に展開。

2018年7月には東京の三軒茶屋に自社醸造所を併設したタパスバー「Whim SAKE & TAPAS」をオープン。
2019年より、歴史上初となるフランス・パリでの酒蔵設立に向け、準備中。

インタビュー: 稲川琢磨 https://twitter.com/takuma_inagawa

株式会社WAKAZE

住所:鶴岡オフィス:〒997-0015 山形県鶴岡市末広町5番22号 マリカ西館2階201号室
   東京オフィス:〒154-0004 東京都世田谷区太子堂1-15-12 セントラルビル301
FAX番号:0236-06-5324
代表:稲川 琢磨(代表取締役社長)
Web:http://wakaze.jp/index.html
Twitter:https://twitter.com/Wakaze_Sake
Instagram:https://www.instagram.com/wakaze_japan/

酒小町制作メンバー

取材:伊藤美咲、卯月りん、金子摩耶
執筆:伊藤美咲
編集:金子摩耶
撮影:中嶋桃子
場所提供:ワインワークス南青山
企画:卯月りん(TwitterInstagram

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