日本酒初心者の私が、トゥモローゲートで感じたクラフトどぶろくの無限の可能性

「どぶろく」って、日本酒知識に精通した人が楽しむもの。そんなイメージ、ありませんか?
日本酒ビギナーの私も、実はそんな先入観を持っていたひとり。しかし今回、トゥモローゲート株式会社のショールーム型オフィス『THE SHOWROOM』で開催された実食イベントで、その印象がガラリと変わりました。
登場したのは、滋賀県・長浜市の『ハッピー太郎醸造所』が手がけるクラフトどぶろく。ラベルもかわいくて、香りも飲み口もそれぞれ個性豊かだけど飲みやすい。さらに、琵琶湖をモチーフにした絶品フードとのペアリングで、どぶろくの奥深さをさらに実感しました!
「どぶろくって、実は自由で楽しい飲み物かも」
そんな気づきをもたらしてくれた、4種飲み比べの体験をレポートします。
トゥモローゲートが手掛ける『THE SHOWROOM』とは?

今回訪れたのは、ブランディング事業を展開するトゥモローゲート株式会社。2024年3月からスタートした、新しいPRの形『THE SHOWROOM』は、商品PRに悩みを抱える企業の支援を目的に、自社オフィスの一部を無償のPRスペースとして提供する取り組みです。
今回、このショールームとコラボ企画をおこなったのが『ハッピー太郎醸造所』。
どぶろくをPRする機会として、この空間を活用し実食イベントを開催しました。
日常のオフィスが、“発酵”と“遊び心”に包まれた空間へと変身することで、リアルな飲食体験を通じての新ジャンル「クラフトサケ」の魅力を届ける。そんな想いの詰まったチャレンジです。
ハッピー太郎醸造所って?応援したくなるクラフトどぶろく

滋賀県・長浜市に拠点を構えるハッピー太郎醸造所は、“発酵でつなぐ、しあわせ”をコンセプトとし、糀の可能性を探る醸造カンパニー。
「発酵文化を更新する」
「現代の食卓に驚きと楽しさを提供する」
「健やかな琵琶湖を未来へ繋ぐ」
ハッピー太郎醸造所はそんなミッションのもと、日常に寄り添う発酵のある暮らしを提案しています。
「どぶろく」とは、蒸した米に米麹と水を加えて発酵させた、ろ過をしないにごり酒のこと※1。お米のつぶ感が残っていて、自然な甘みと酸味が楽しめます。 地域や造り手によって味わいが大きく異なるのも魅力のひとつです。
切り絵作家の早川鉄兵氏が手がけたラベルは、細やかな描写と温かみのあるデザインが印象的。
個性的なネーミングと相まって、ギフトにもぴったりなどぶろくを手がけられています。
またどぶろくの製造だけでなく、味噌や甘酒などの糀商品の販売、醸造所の見学ツアーや味噌づくり体験教室などを通して、発酵の魅力を五感で伝える場づくりもおこなっています。
そんなハッピー太郎醸造所とTHE SHOWROOMをつないだのは、トゥモローゲートとのご縁でした。
トゥモローゲート代表の西崎さんが、ハッピー太郎醸造所・池島さんの“好きなものにかける情熱”と“クラフトどぶろくへの挑戦”に共感したことが、今回のイベントのきっかけになったそうです。
初心者が飲み比べ!どぶろく4種、それぞれどんな違いがある!?

イベントでは、ハッピー太郎醸造所の4種類のどぶろくを飲み比べることができました。
どぶろく初心者の私にとっては、まさに発見の連続。どれも個性があり、それぞれの味わいがペアリングフードとともに際立っていました。
4種類のどぶろくと、ペアリングされたお料理はこちら。
something happy うきうきホップ

グレープフルーツのようなシトラス感が爽やかで、最初の一杯にぴったり。
口に含んだ瞬間、まるでビールのようなホップの香りがふわっと広がります。どぶろくのこっくりと濃厚なイメージを覆す、爽快感と華やかな香りに驚かされました。
ペアリングフードはビワマスとハーブが香るクスクスの一品です。
something happy 政所の茶縁

試飲前は「煎茶×どぶろく」なんて大人すぎて飲みきれるか不安……と思っていたのですが、実際は驚くほど清涼感があり、すっと飲みやすい一本でした。
口に含むと上品な煎茶の香りがふわりと立ち上がり、一口目から最後までやさしく続いていきます。
ペアリングフードは煎茶を衣に纏わせたわかさぎの天ぷらでした。
ハッピーどぶろく 穂(すい)の恵み

しっかりとお米の旨みを感じながらも、軽やか。飲みやすく芯のある味わいです。
どぶろく本来の魅力をストレートに感じられる、王道の味わいでした。
ペアリングフードはニゴロフナを使った琵琶湖沖島の郷土料理「ジョキ」をオマージュした料理です。
something happy MAROUのカカオ

ダークチョコのようなほろ苦さと、控えめな甘さのバランスが絶妙。
ペアリングフードはローストした八朔と甘酒チーズケーキです。
専属シェフ・山吹さんだから叶った、どぶろくの新しいペアリング体験

なかでもとくに筆者の印象に残ったのが、『something happy MAROUのカカオ』×『甘酒チーズケーキ』のペアリングでした。
まるでダークチョコのような大人な味わいに合わせるのはハッピー太郎醸造所の甘酒を使った、リッチなチーズケーキ。
どぶろくとスイーツという意外性のある組み合わせですが、口に含んだ瞬間、カカオどぶろくのほろ苦さがチーズケーキの甘みに溶け合い、驚くほどなめらかにまとまりました。
和と洋、酒とスイーツ。どれかひとつが主張するのではなく、静かに調和して食後のご褒美になるような一皿です。
「食後といえばコーヒーとスイーツ」という定番のイメージが、どぶろくによって心地よくくつがえされたような気がしました。
これらの絶妙なペアリングを手がけたのが、トゥモローゲートの専属シェフの山吹心之助さん。
酒小町のイベントでも何度かコラボレーションしたことがあり、これまでにも日本酒に合わせた多種多様なフードを提供していただきました。
毎回「あっと驚くような新鮮な体験」を届けてくれます。
今回もただの料理担当に留まらず、まるで舞台を演出するように、どぶろくと食の関係性を丁寧に描き出していました。料理にはハッピー太郎醸造所の味噌や糀、そして琵琶湖で獲れた魚など滋賀にまつわる食材を使用。
池島さんが想い続ける琵琶湖への情熱を、山吹さんが一皿ごとに表現した贅沢な4品がそろいました。
どの料理も、味が美味しいのはもちろんのこと「この味の先に、何を感じてほしいのか」という意図がしっかりと伝わってくるものばかり。
どぶろく初心者の私でも、“飲む・食べる・感じる”がひとつになった豊かな体験ができたのは、山吹さんの繊細な設計があってこそだと感じています。
どぶろくは、もっと自由でいい。“想い”が伝わる体験
今回のTHE SHOWROOMでの実食体験を通して、ハッピー太郎醸造所が大切にしている「発酵でつながるしあわせ」を、五感でしっかりと感じることができました。
ただどぶろくを飲むだけでなく、ペアリングや空間演出を通してどぶろくがより親しみのある存在に。
特にどぶろくを飲むのが初めてだった私にとっては、まさに“どぶろくの扉”が開かれるような体験でした。
ハッピー太郎醸造所のオンラインショップでは、季節ごとの個性豊かなどぶろくを購入できます。
ラインナップは時期によって異なるため、詳しくは公式ホームページ、またはお近くの酒販店でご確認ください。
気軽におうちで楽しんでみれば、どぶろくの新しい楽しみ方にきっと出会えるはず。
「どぶろくは、もっと自由でいい。」
そんな新しい視点をくれた、やさしく記憶に残る時間でした。
日本酒コミュニティ『酒小町」
20代から30代の「お酒の場と、交流が好き」な人たちが集まる日本酒コミュニティ『酒小町』。
「日本酒好きのあそび場」をコンセプトに、年齢も職業もバラバラの個性豊かなメンバーが乾杯するだけでなく、自分たちであそびを企画したり、日本酒について学んだり……誰もがホッと一息ついて自分らしくたのしめるようなサードプレイスをつくっています。
『酒小町』は、毎月1日〜10日の期間にメンバー募集をしています。募集開始時にはLINEアカウントでお知らせをしているので、ぜひ登録して続報をお待ちください!
今回取材した企業・酒蔵
<トゥモローゲート株式会社>
住所: 大阪本社
大阪府大阪市中央区西心斎橋1-6-32 アニーズビル2F
Web:https://tomorrowgate.co.jp/
X:代表西崎 @koheinishizaki、シェフ山吹 @tabichef
YouTube:https://www.youtube.com/@koheinishizaki
<ハッピー太郎醸造所>
住所:滋賀県長浜市元浜町13‐29 湖(うみ)のスコーレ内
アクセス:JR長浜駅 徒歩7分
営業時間:11:00〜18:00
定休日:火曜
Web:https://happytaro.jp/
通販:https://happytaro.thebase.in/
X:@happytaro2017
Instagram:@happytaro2017