香川県のご当地タクシーで酒蔵巡り&酒造体験型ゲストハウス『三豊鶴 TOJI』に宿泊
2024年2月よりはじまった、全国各地の酒蔵を巡るイベント『旅する酒小町』。
愛知、鳥取に続いて、今回香川県へ行ってきました!
1日目は琴平町をまるっと堪能し、2日目はうどんタクシーでうどん巡り&酒タクシーで酒蔵巡りへ。
そして『三豊鶴』の酒蔵をリノベーションした一棟貸しゲストハウスに宿泊してきました。
参加したメンバーの様子をお届けします。
1日目の様子はこちら★
「一生に一度はお詣りしたい!」金刀比羅宮へ早朝詣り
朝5時50分。こんぴら表参道69段目にある池商店に集合し、池さんガイドのもと早朝金刀比羅宮詣りへ!
金刀比羅宮は基本的に夜間参拝を禁止していて、入り口である大門(石段365段目)より先は、6時を知らせる太鼓の音が鳴ってから入るのが正式な参拝方法だそう。私たちも大門で太鼓の音色を聞いてから先へ進みます。日が昇る前の薄暗い空気は、幻想的な雰囲気でした。
金刀比羅宮の本宮まで786段の石段があるのですが、この786段は「悩む」を連想させる悪い数字ということで、金刀比羅宮には一カ所だけ下る階段があるのです。そこで悩みを落として本宮を目指します。
また、柱が逆につけられた門もあるなど、普通に登っていたら絶対見過ごしていたであろう金刀比羅宮の細かな見どころを、池さんのガイドからたくさん学びました。
なんと金刀比羅宮の登り方は何通りもあるそうで、きっと地元の人と一緒じゃないと通らないであろう自然豊かな道も案内いただき、エネルギーチャージ!
「ガイドさんと一緒に行ったほうが良い!」と断言できるほど、金刀比羅宮はガイドさん付きの参拝をオススメします。
うどんの専門知識を持ったドライバーがご案内!『うどんタクシー』
香川県のうどん屋さん巡りには『うどんタクシー』がオススメ!
うどんタクシーのドライバーになるためには試験があるので、ドライバーさんはうどん店のプロです。
乗車中はうどんの専門知識や通な食べ方を教えてもらいながら、ガイドブックに載っていないローカルなうどん店まで案内していただけます。
今回うどんタクシーで2軒のうどん屋さんにお邪魔しました。
①山内うどん(まんのう町)
昔ながらの手打ちうどんは、もっちもちの麺にほっとする味のお出汁が体に沁み渡ります。
名物のげそ天はとにかく大きくてボリューム満点!
ペロッと食べられるので、気付いたら2杯目を食べている人も。
②麦香うどん(丸亀市)
店主の小麦に対する情熱は人一倍!こだわり抜いた小麦をブレンドして作っている麺は、コシが強く食べ応え抜群です。食べ終わった後にほのかに小麦の香りを感じます。
スパイスの効いた『クリーミーカレーうどん』も人気だそうです。
1軒1軒距離があるので、うどんについてはもちろん、うどん店近くの観光名所のお話も聞きながら巡れる『うどんタクシー』、とってもオススメです!
「誰が運転する!?」問題を一発で解決!『酒タクシー』
さっきまでうどんタクシーだったかと思いきや、『酒タクシー』に早変わり!
“お酒づくりに地域づくり、化粧品づくりまでおこなう香川ならではの酒蔵を気軽に回って存分に楽しんで欲しい”という想いから、香川県の酒蔵を案内してくれる『酒タクシー』。
こちらもドライバーになるためには試験があり、香川の日本酒をよく知っているドライバーさんがお供してくれます。
乗車は3時間コースでアレンジ自由!
お任せすると、酒蔵1カ所と周辺の観光名所またはうどん屋さん巡りのドライバーさんオススメコースを案内してくれますよ。
酒蔵巡りにつきもののドライバー問題も、酒タクシーなら一発で解決です!
ということで、『酒タクシー』で綾菊酒造へ向かいました。
香川県産一般米『オオセト』にこだわって醸す酒『綾菊酒造』
香川県綾歌郡綾川町にある『綾菊酒造』。
裏手に大きな綾川が流れる地で、1790年に創業し、酒蔵の建物は香川県の有形文化財にも指定されています。
今回、代表取締役の中村さんが直々に蔵案内をしてくださいました。
綾菊の仕込み水は井戸からくみ上げているそう。井戸の水が枯れることのないようにという願いを込めて、祀っていらっしゃいました。地元の資源への敬意を感じます。
綾菊酒造は香川県産米『オオセト』や地元のものにこだわった酒造りをしていらっしゃいます。
それは、1970年から杜氏として綾菊の酒を醸し続けてきた、国重杜氏中心に築いた綾菊酒造の色です。
お米の特徴と扱い方を熟知していないと、酒にはならない『オオセト』。あえて地元のお米『オオセト』にこだわり、地元の水にこだわり、10年間研究に研究を重ねてできたお酒は、全国新酒鑑評会において13年連続で金賞を取り続けるといった功績を残しました。
これを記念して、全国で初めて杜氏の名を冠した香川の名酒『国重』ができたと聞き、一同感動。信念を形にした国重杜氏の姿に我々も勇気と力をいただいたと共に、自分たちの周りから少しでも日本酒を好きになってもらえるきっかけ作りをしていきたいと改めて思わされた時間でした。
山の中に突如現るフードラボ『SUNNYSIDE FIELDS』
「個性が共生し調和が発展を生む」を企業理念に、さまざまな事業を展開している株式会社サニーサイド。
讃岐山脈を見渡す里山、まんのうの地に暮らす人の想い、風景、暮らし、文化、記憶をみんなで繋ぐ場所にしたいと始まった『SUNNYSIDE FIELDS』は、『たべる、あそぶ、まなぶ、つながる』が叶う場所です。
カフェやチョコレートアトリエが併設されていて、ここで手作りされたチョコレートやコーヒーのほか、地域で作られた食にまつわるこだわりの品々が店内を彩ります。
敷地内には田んぼや畑、ヤギの飼育スペースや地域を見晴らせる展望台もあり、どこを見てもワクワクする、時間を忘れて楽しめる場所でした。
不定期で料理の魅力を探求するワークショップ『あそびとまなびLABO(ラボ)や収穫体験、里山遊びといったイベントも開催されているそうで、子どもの自由研究や大人の学び場としても大人気だそう。人と人とが繋がる場所としても、和気あいあいの様子が目に浮かびました。
まるで気分は醸されるお米!?元酒蔵『三豊鶴 TOJI』で宿泊体験
場所は三豊市へ。本日のお宿、元酒蔵をリノベーションした一蔵貸しゲストハウス『三豊鶴 TOJI』へ向かいます。チェックイン場所は、三豊鶴 TOJIから車で7分ほど走ったところにある『DEMI 1/2』にて。
ここでは館内施設や遠隔チェックアウトの仕方など快適な滞在に関するレクチャーを受けます。ゲストハウスのオリジナルグッズなどの販売もありました。
いよいよ『三豊鶴 TOJI』に潜入です!
『三豊鶴』は、明治10年(1877年)に創業した横山酒造がつくっていたお酒で、2005年まで三豊市内で営業されていた酒蔵でした。
いまは残念ながら廃業となり、取り壊される危機にあった建物を“三豊鶴が残してきた文化や歴史、想いを受け継ぎ、未来に繋げたい”という想いから、三豊に縁のある5名の有志が合同会社を設立し、世界初の酒造文化体感型ゲストハウスとして蘇らせました。
代表社員の一人である喜田貴伸さんも足を運んでくださり、『三豊鶴 TOJI』への熱い想いをうかがったあとの施設内散策は、一際胸にくるものがありました。
ここで『三豊鶴 TOJI』の見どころ3選!
1.蒸されるお米の気持ちが味わえる!酒米を蒸すための大釡からできた大釡風呂
実際に酒米を蒸していた大釜がお風呂に!
その横にはフィンランド式サウナが併設されていて、まさに気分は蒸されるお米です。水風呂は仕込み水を使用しているというこだわりっぷり。
酒造りにちなんで米が酒になり、旨味を増す、そんな「自分を醸造する愉しみ」を体験してほしいと、一つひとつにきちんとした意図があるのです。
日々、身に着けている「籾(もみ)」を脱ぎ捨てるところから
1.精米 服を脱ぐ
2.洗米・浸漬 体を洗う
3.蒸米 サウナで体を温める
4.製麹 入浴剤を入れる
5.酒母造り 入浴剤をかき混ぜる
6.醪造り お湯に浸かる
7.上槽 サウナ・水風呂を交互に
8.火入れ お酒や会話を嗜んで思い出に残るひとときを過ごす
9.貯蔵 自分自身を熟成させるため眠る
そんなところまで考えられた『三豊鶴 TOJI』での体験は、生涯忘れられないものになること間違いなしです。
2.日本酒サーバーで、香川の地酒飲み放題!
日本酒好き大歓喜のこちらのサービス。香川県の地酒を存分に堪能できる日本酒サーバーが設置されていて、好きな時に好きなだけ日本酒を飲むことができます。
釜風呂とサウナで整って、日本酒でゆらいで、最高の時間です。
3.古い道具も新たな魅力を発揮!現代の文化との融合で蘇る、アートな酒蔵
『瀬戸内国際芸術祭2022』に合わせて開催したアートイベントの場として、実際に使っていた醸造場のタンクを作家さんたちに提供。現代に広がる芸術・文化との融合によって新たな魅力を輝かせているタンクが並ぶ光景は圧巻です!
市街地から少し離れている『三豊鶴 TOJI』。
本格的な台所がついているので、食事をどうしようかと思ったときにも事前に食材を買って持ち込み調理ができます。
BBQができるオプションもあるので、『三豊鶴 TOJI』の滞在をまるっと堪能したい方は、そちらがオススメです。私たちも朝食を作って食べました。
夜は地元の方々が声をそろえて美味しいという『鮨酒場 南』
せっかくであれば香川の美味しいものを堪能したいと、街にくり出した私たち。
地元の方々が太鼓判を押す『鮨酒場 南』さんで、香川の旬の食材を堪能させていただきました!
やっぱり地の食材には、地の日本酒が一番合います。
そして、今回三豊鶴に宿泊するきっかけを作ってくださった、元・地域活性化企業人として活躍され、香川に移住された溝端さんも交えて乾杯!
地域活性化トークや『三豊鶴TOJI』をもっとより多くの人に知ってもらうには?という内容での真剣トークは、話せば話すほどお酒がどんどん進みます。
『鮨酒場 南』名物の『痛風巻』は、絶対食べて欲しい逸品!
お料理もお酒も本当に美味しくて、大満足の夜でした。
まだまだ続く、香川を最後まで楽しみ尽くす!
『川鶴酒造』見学
2泊3日におよんだ『旅する酒小町 in 香川』もいよいよ終盤。
3日目の朝は仕事の都合で帰路につくメンバーを見送り、香川居残り組で『川鶴酒造株式会社』を訪問しました。
道中、道を間違えたことが幸いして、日本のウユニ塩湖とも言われている『父母ヶ浜』にたどり着きました!
残念ながら干潮の時間ではなかったため、話題となっている水鏡のような景色を見ることは叶いませんでしたが、透き通る穏やかな海に癒やされ、心が洗われました。
『川鶴酒造株式会社』へ到着すると、川人社長が出迎えてくださり、特別に酒蔵見学までご案内いただけることに。
1891年に創業し、133年間、観音寺の地でお酒を造り続けている川鶴酒造。
酒造りも機械化が進む中でも手作業での工程を大事にし、蔵の隣にある田んぼで、全社員が田植えから草刈り・稲の収穫まで携わり、そのお米でお酒を造っています。
また、蔵の裏手には大きな川が流れていて、そこから引いてきた仕込み水もその場で飲ませていただくという貴重な体験も!とても柔らかくすーっと体に馴染む味わいでした。
供給が追いついていないとおっしゃる川人社長のお言葉通り、蔵の中はとても忙しそうでしたが、丁寧な手仕事を拝見し、改めて一滴・一杯の重みを感じるとともに、川鶴酒造の名が日本各地に、そして全世界にさらに響くよう、我々も微力ながらお手伝いしていきたいと思いました。
ということで、これにて『旅する酒小町 in 香川』終了!
日本酒好きな仲間と行く酒蔵巡りは格段に楽しく、日本酒愛が深まる時間でした。
そして、普通に過ごしていたら交わることのなかったであろうご縁が、日本酒をひとつの共通項にどんどん結ばれていき、「またね!」と言える仲間が増える喜びを噛みしめた旅でした。
酒縁に感謝。
日本酒コミュニティ『酒小町』
20代から30代の「お酒の場と、交流が好き」な人たちが集まる日本酒コミュニティ『酒小町』。
「日本酒好きのあそび場」をコンセプトに、年齢も職業もバラバラの個性豊かなメンバーが乾杯するだけでなく、自分たちであそびを企画したり、日本酒について学んだり……誰もがホッと一息ついて自分らしくたのしめるようなサードプレイスをつくっています。
『酒小町』は、毎月1日〜10日の期間にメンバー募集をしています。募集開始時にはLINEアカウントでお知らせをしているので、ぜひ登録して続報をお待ちください!
https://community.camp-fire.jp/projects/view/312511
今回紹介した商品や酒蔵店舗など
うどんタクシー&酒タクシー
HP:(うどん)https://www.udon-taxi.com/
(酒)https://www.udon-taxi.com/taxi/sake.html
IG:@udontaxi_japan
山内うどん
香川県観光協会公式紹介ページ:https://www.my-kagawa.jp/udon/549
麦香うどん
HP:https://bakuka-udon.jp/
IG:@bakukaudon
綾菊酒造株式会社
HP:https://www.ayakiku.com/
IG:@ayakiku_sake
SUNNYSIDE FIELDS
HP:https://sunnysidefields.com/#
IG:@sunnyside_fields
三豊鶴 Toji
HP:https://www.mitoyotsuru.com/toji/
IG:@mitoyotsuru
予約ページ:https://asp.hotel-story.ne.jp/ver3d/planlist.asp?hcod1=6A550&hcod2=001&mode=seek&clrmode=true&reffrom=
鮨酒場 南
IG:@sushisakaba_minami
父母ヶ浜
三豊市観光交流局公式紹介ページ:https://www.mitoyo-kanko.com/chichibugahama/
IG:@chichibugahama_gram(三豊市観光交流局運営)
川鶴酒造株式会社
HP:https://kawatsuru.com/
IG:@kawatsuru_sake(川人社長)
酒小町制作メンバー
執筆:都田亜衣莉( Instagram )
撮影:渡邉真菜(X / Instagram)
編集:福島 未貴(X / note)
イベント企画:卯月 りん(X / Instagram / note)