心がとろける。おとなの贅沢スイーツ『日本酒ガトーショコラ』

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兵庫県三木市のふるさと納税ランキングで1位を記録した話題のスイーツが、KAKERIの『日本酒ガトーショコラ』です。

オンライン販売だけでなく関西を中心にポップアップストアを展開し、今や全国区のスイーツになりつつあります。
今回はKAKERIを立ち上げた徳沢精悟さん魚住莉穂さんのおふたりにお話をうかがいました。

【ポップアップストア情報】
開催日時:9月15日(水)〜9月23日(木)
開催場所:なんばマルイのB1階イベントスペース

スキルと素材の「掛け合わせ」で新たな価値を生み出す

ーーーーおふたりは地元が同じで、同級生なんですよね?

徳沢:そうですね。ふたりとも兵庫県の三木市出身で、高校の同級生なんです。魚住がパティシエを辞めたあと、しばらく僕の仕事を手伝ってくれていた時期があったんですが「ふたりで一から事業を始めたいね」という話になって。そこでKAKERIの構想が浮かびました。

ーーーー徳沢さんのお仕事は、当時からスイーツに関連する事業だったんですか?

徳沢:当時は元プログラマーの経験の活かして、プログラミングの教材の販売やオンラインコミュニティを運営していました。魚住には動画編集や事務作業をサポートしてもらっていたんですが、彼女のパティシエとしてのスキルを活かせないのはもったいないと感じていて。ふたりのスキルを掛け合わせて何かできないかなと考えて、オンライン販売限定のスイーツブランドを思いつきました。

魚住:『KAKERI』というブランド名も、掛け算の「×(かける)」がベースになっているんです。私たちのスキルの掛け合わせだけではなく「素敵な素材や商品×パティシエ」「お客様×KAKERI 」などの意味も込められています。ロゴのデザインは掛け合わせて縁を「結ぶ」イメージや、ギフトとして使ってもらえる商品を作っていきたいという想いからリボン調にしました。

KAKERIのロゴ

徳沢:素敵な素材や商品とスイーツを掛け合わせて魅力を引き出すことは、その素材を生産する地域の活性にもつながると思っています。それでまずは「ふたりの地元から盛り上げていきたい」と思って調べていくうちに、三木市が酒米の『山田錦』の特産地だと知ったんです。

魚住:「地元にこんなに品質の高い素材がある」ということを、もっと世の中に発信したいですね。素晴らしい素材と私たちのスキルを掛け合わせて、新たな価値をつくっていきたいです。

徳沢:酒類提供の禁止や外出自粛で日本酒の消費量がどんどん減っていて、原料の山田錦を作る農家さんもかなりダメージを受けています。「地域の特産品として誇りを持ってやってきたけど、食用米の生産に切り替えようか」なんて声が出るくらい追い詰められている現状を目の当たりにして、何かしたいと強く感じました。

魚住:酒米の消費量を増やすには日本酒の消費量を増やすしかなくて、それには日本酒を飲む方を増やす必要があります。それで「日本酒に馴染みのない方にも受け入れられるような、日本酒を飲むきっかけになるスイーツを作ろう」ということになったんです。

日本酒が苦手だからこそ作れた、究極の日本酒スイーツ

ーーーー日本酒のスイーツをつくるにあたって、ガトーショコラにした決め手はあったんですか?

魚住:私自身が、ガトーショコラが大好きなんです!愛情を持って作れるものにしたかったので、最初の商品をガトーショコラにするのは決めていました。

徳沢:日本酒のガトーショコラを作ると決まって、三木市に唯一ある酒蔵の稲見酒造株式会社さんにお声がけしました。地元の酒米を使った地元の日本酒で作りたかったので、コラボが決まったときは本当に嬉しかったです。日本酒の知識がほとんどない僕たちに、いろいろと丁寧に教えてくださって、試飲もたくさんさせていただきました。

魚住:私たちはもともと日本酒が大好きっていうわけではなくて。だからこそ、日本酒に馴染みがない方に受け入れられるスイーツが作れると考えて開発に挑戦しました。稲見酒造さんがその想いを理解してくださって、とても嬉しかったです。

徳沢:居酒屋の飲み放題で出てくるような日本酒や、安いカップ酒のイメージが強くて、正直に言うと日本酒に対して苦手意識がありました。ちょっと不安もあったんですが、稲見酒造さんで試飲させていただいたら、とても美味しくて。「日本酒のイメージを変えたい」って気持ちが、さらに強くなりましたね。

ーーーーたくさん試飲したうえで『大吟古酒』を採用されたんですね。飲んですぐに「コレだ!」と決まったんでしょうか?

魚住:実は、試飲したときに「コレだ!」と思ったのは大吟古酒じゃなかったんです。飲んだときに一番美味しいと思った日本酒を使ってガトーショコラを作ってみたら、香りがほぼ残らなくて。いろいろな日本酒を使って試作を重ねた結果、大吟古酒が一番香りが残りやすくて、味わいにも深みを出してくれました。

ーーーー私も試食させていただいたんですが、日本酒の香りがしっかりするのはもちろん、甘すぎず深みのある味わいにも感動しました。

魚住:ありがとうございます!使用する日本酒が決まったあとも、香りを残しながらガトーショコラとしての美味しさも追求するために何度も試作しました。酒粕を入れたり、焼き時間や温度を少しずつ変えてみたり、納得いくレシピができるまで3〜4ヶ月かかっています。大人のスイーツにしたかったので、カカオの含有量が70%以上のハイカカオチョコレートを使っているのもこだわりです。

徳沢:僕もすべてのパターンを試食したんですが、香りも味わいも、ちょっとの差でこんなに変わるんだなってびっくりしました。


実店舗なし、製造は外注!パティシエの新しい働き方

ーーーー日本酒ガトーショコラは、温度帯によって違う美味しさが楽しめるのも魅力ですよね。冷凍でも美味しく食べられるのは嬉しいです!解凍されるまで待ちきれないので(笑)

魚住:そう言っていただけて嬉しいです。冷凍で販売することは頭に入れて開発しましたが、保存のためだけの冷凍ではなく「冷凍でもしっかり美味しい」を目指しました!

ーーーー冷凍での販売にこだわったのには、理由があるんでしょうか?

魚住:日本酒ガトーショコラを食べたいと思ってくださる方に対して、品切れで提供できない事態は避けたかったのが大きな理由ですね。私はレシピ開発だけを担当して、製造は外注したのも同じ気持ちからです。やはり個人だと作れる数にも限界があるので。

徳沢:魚住がパティシエとして勤めていたころに、彼女がつくったスイーツがSNSでバズったんです。ただやっぱり作れる数が限られているせいで、売り切れて食べられずに帰るお客様も出てしまったらしくて。それでKAKERIで作るものは、安定供給を優先するために、コストがかかっても製造を外部委託することにしました。

SNSでバズったスイーツ

魚住:自分のスイーツを食べたいと思って来てくださったお客様に提供できないのは、本当に辛かったですね。

ーーーーパティシエを一度辞めたのは、その経験も影響していますか?

魚住:決定打ではありませんが、それをきっかけに “店舗に勤めることで生じる制限” みたいなものを感じるようになったと思います。仕事内容がハードなのもあって「パティシエを長く続けるのは難しいのかもしれない」というのは、ずっと前から考えていましたね。まわりのパティシエ仲間も、どんどん辞めていきましたし…。

徳沢:独立できれば自分のペースで働けますが、開業資金や場所の問題はもちろん、今はコロナ禍でお客様に来ていただけるのかっていう不安もありますよね。KAKERIはオンラインやポップアップストアでの販売に絞っているので、実店舗がなくてもパティシエのスキルを活かせるんです。

なんばマルイでのポップアップストアの様子

魚住:これはパティシエの新しい働き方だと思っています。「重労働なパティシエという仕事を、無理なく楽しく続けていくにはどうしたらいいか」と考えていたとき、実店舗をもたずにオンラインで販売をする話が出たんです。どこかに勤めるか自分のお店を出すかしか選択肢がないと思い込んでいたので、目からウロコでしたね。

ーーーー私も今回お話をうかがうまで、魚住さんはどこかのお店に勤めているパティシエさんだと思い込んでいました。

魚住:「実店舗がなくてもパティシエができるんだ、こんな働き方もあるんだ」と私の活動を通じて知っていただいて、諦めずにパティシエを続けてくれる方が増えたら嬉しいです。

最高の素材×職人技で進化する『KAKERI』ブランド

ーーーー冷凍の状態から食べ始めて、少しずつ溶けてきたあたりが個人的に一番好きです!ふわしゅわっと、まさにとろける食感ですよね。

魚住:ありがとうございます!溶けたり温めたりすると日本酒の香りが立つので、日本酒初心者の方は冷凍で召し上がっていただくといいかもしれません。

ーーーーポップアップストアで日本酒ガトーショコラを購入されるのは、日本酒初心者の方が多いんですか?

徳沢:20歳から20代なかばくらいの方に、よくご購入いただいています。日本酒ガトーショコラの試食で初めて日本酒を味わう方もいて、これは責任重大だなと思ったんですが「日本酒ってこんな味なんですね!美味しい!」と言っていただけてホッとしました。

魚住:「ガトーショコラは好きだけど日本酒はどうだろう?」と不安そうに試食した方が、気に入って2本も購入してくださったり、2日後にまた買いに来てくださったりして、すごく嬉しかったです!

徳沢:もともと日本酒が好きな40代・50代の男性にも好評で、幅広い世代の方に受け入れていただいているなと感じています。日本酒ガトーショコラを通じて日本酒の間口を広げて、これからも地元の三木市を盛り上げていきたいです。

ーーーー最後に『KAKERI』としての今後の展望をお聞かせください。

魚住:今は沖縄の食材とのコラボでレシピ開発を進めています。まだ知られていない素材や地域の魅力と、私たちのスキルを掛け合わせたスイーツで、新たな可能性や価値を生み出していきたいです!

徳沢:商品がお客様の手元に届くまでには、食材をつくる人、レシピを開発する人、製造する人、そして広める人と、たくさんの分野のプロが関わっています。『KAKERI』は、それぞれの分野の職人技を掛け合わせてつくる、唯一無二のスイーツブランドであり続けたいです。今後も応援してくださる皆さんと共に挑戦を続け、日々成長していきます!

取材と執筆:成澤綾子(Twitter /Instagram

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