酒粕の新しい価値を提案するKIKKAの挑戦はまだまだ続く
前回は、酒粕との出会いやKIKKA誕生秘話、商品についてのお話をうかがいました。
前編をまだ読んでいない方は、ぜひ前編からご覧ください。
好きなことをとことん詰め込んだこだわりのデザインとは
————パッケージデザインのこだわりはありますか?
パッケージは、かわいいなかにもかっこよさがあるデザインに仕上げました。
特に甘酒のボトルは形、キャップの色に譲れないポイントがあり、デザイナーとしてのこだわりが強く出ました(笑)
ボトルは変わった形を選ぶことで他の商品と差別化できると思っていて、今後は大きいサイズも作ろうかなと考えています。
————どのようなことを考えながらデザインを形にしたんですか?
今回の商品開発では”自分が好きで、100%いいと思えるデザイン”にすることを大前提としました。
ブランド「らしさ」を出すことも大事だと考えています。
一度決めたことを貫き通し、継続する強さと大切さ
————ブランドを立ち上げて歩んできたなかで、大変だったことはありますか?
私は食品を開発する専門家ではないので、構想があっても作り方がわからず、全てがゼロから始まりました。
構想を形にできそうな工場にかたっぱしから電話をかけたこともありましたね(笑)
酒粕は生のまま使えるものと使えないものがあり、加工方法を考えなければいけないことも大変でした。
生の酒粕の保存方法や流通経路の問題にぶつかったこともあって……
新型コロナウイルス感染症の影響でなかなか工場に行けず、コミュニケーションを取るのが難しかった時期もありました。
ゼロから商品を作ることは、多くの人の協力があってできることだと改めて実感しました。
————構想から実現までどれくらいの時間がかかったのですか?クライアントワークもあるなかで、怒涛のスケジュールだったのではないでしょうか。
約2年前から構想して、約1年前から商品を実際に作り始めました。
正直に言うと、進めていく中でモノづくりの難しさに直面し、心が折れそうになったこともありました。
「酒粕の新しい価値をクリエイティブの力で証明したい!」との想いから、なんとか続け、形にすることができました。
————商品が形になって手元に届いた時の感動は、計り知れないものでしょう。
不思議な感じがしますね。
そして怖い気持ちも大きいです。
商品をどのように捉えられるか、美味しいと思ってもらえるか、酒粕を好きな人、逆に苦手な人はどう思うのか、これからさまざまな意見が出てくると思うので、不安はあります。
今回自分の商品作りを通してクライアントさんの気持ちもわかりました。
「葛藤しながらモノづくりを行っているのだろうな」と気付きましたね。
『KIKKA』を通じた酒粕の新しい価値提案の挑戦は終わらない
————今後、挑戦したいことはありますか?
今回出した商品が朝っぽいものだったので、夜っぽい商品の開発をしたいです。
いま出ている商品を作るのに1年くらいかかったので、すぐにでもに取り掛かりたいですね。
母の日や敬老の日など、誰かに酒粕をプレゼントすることに焦点を当てたギフトパッケージも出してみたいな。
「毎日飲むもの、毎日食べてもらいたいもの」というコンセプトもあるので、サブスクリプションのようなものにも挑戦したいです。
サブスクでは、酒粕商品と一緒に酒造さんで酒粕がどのようにできるかを特集したり、酒粕と相性のいいグルメを紹介したりする冊子を送ってみることも視野にいれています。
また『KIKKA』での取り組みは、酒粕のリブランディングでもあると思います。
『KIKKA』を通して酒粕のイメージを考え直してほしいし、新しい価値観を感じてもらえたら嬉しいです。
あとは”続けること”が大事だと思っています。
これからさまざまなことがあるだろうけれど、続けていくことが大切だと信じて、多くの人に『KIKKA』のことを知ってほしいです。
酒粕を再生したいという思いと兼重さん自身のこだわり・挑戦心が奇跡的に重なり、花開いたブランド『KIKKA』。
これをきっかけに、美しくて美味しい酒粕習慣をはじめて、あなたのそばでもKIKKAを咲かせてみませんか。
そして今後、どのような花を咲かせてくれるのか『KIKKA』に目が離せません。
企画協力
KIKKA
Web:https://kikka-japan.com/
Twitter:https://twitter.com/KIKKA_japan_
Instagram:https://www.instagram.com/kikka.japan/
酒小町制作メンバー
取材・執筆:阿部 真莉映(Twitter)
企画・撮影:卯月りん(Twitter/Instagram)
編集:うりっぽ(Twitter/Instagram)