「自由を、醸そう。」クラフトサケブリュワリー協会 発足!

クラフトサケ

2022年6月27日、日本酒の製法をベースとした新しいジャンル「クラフトサケ」の6つの醸造所がクラフトサケブリュワリー協会を設立しました。

今回は同日おこなわれた記者発表会で、設立への想いや今後の取り組みを伺いました。

新しいお酒”クラフトサケ”とは?

クラフトサケ

クラフトサケとは、米を主原料としながらも、ルールに縛られない自由なサケであり、酒税法上は「その他の醸造酒」などに分類されます。

日本酒は米、米麹、水を原料としていますが、クラフトサケはお茶やフルーツ、ハーブなどの副原料を加えて造ったり、日本酒の製造工程で必要な「搾る」という工程を経ずに造るどぶろくだったり。日本酒では表現できない、多様な味わいを生み出せるのが特長です。

「自由を、醸そう。」

クラフトサケ
クラフトサケブリュワリー協会 会長 岡住修兵さん

代表を務めるのが、稲とアガベ株式会社の岡住修兵さんです。昨年秋、秋田県男鹿市にレストラン併設型の醸造所を立ち上げ”男鹿を酒の聖地に”という思いで精力的に活動されています。

クラフトサケは「日本酒を飲まない層にこそ飲んでほしい」という思いで、ビールや果実酒が好きな人をターゲットにしています。また「情熱を持った造り手が、自由に酒造りをおこなえる未来を目指す」という考えのもと、クラフトサケの醸造所を増やすための技術や資金調達サポートもおこないます。

特に印象に残ったのが「日本酒と共存できる未来を目指す」という言葉。

「将来的にはすべての免許の垣根をなくし、酒類製造者があらゆる酒を自由に醸せる未来を創りたい」という想いからでした。

というのも法律上、日本酒を造るための新規免許を取得するのは非常に難しいためです。現在は輸出用の日本酒の免許や、どぶろくはじめクラフトサケを含む「その他醸造酒」の免許などに限って発行されています。

そんななか「クラフトサケ」として、お米の良さを残しながらも副原料などの素材を用い、新たな、そして自由なお酒を造っていくことでお酒の文化を盛り上げようというのです。

6蔵の構成と醸すお酒の特色

想いに賛同した会員がこちらの6蔵です。

それぞれの特長を、今回の設立を記念して造るお酒とともに紹介します。

▼株式会社WAKAZE/三軒茶屋・フランス
三軒茶屋とフランスの二か所で醸造。三軒茶屋の醸造所では初期から「茶」に焦点をあてた酒造りをおこなう。
記念酒:三種類の異なる茶葉を使ったボタニカルSAKE

▼株式会社ALL WRIGHT/浅草
木花之(このはなの)醸造所では濁酒の口当たりにこだわった酒造りをおこなう。
記念酒:新境地-大吟醸濁酒 雄町40(ファンの多い酒米・雄町を40%まで磨いたどぶろく)

▼株式会社haccoba/福島
クラフトビールの自由なカルチャーで日本酒を捉え直す酒造りに挑戦。
記念酒:ビールの原料「ホップ」を一緒に発酵させ、”サワリング”というビールの技法を取り入れたクラフトサケ

▼株式会社LIBROM/福岡
イタリア語で「自由とロマン」を意味するLIBROM。原料は福岡県産にこだわり、旬の花やフルーツを副原料とした酒を造る。
記念酒:福岡産の甘夏をふんだんに使ったクラフトサケ

▼稲とアガベ株式会社/秋田
精米歩合90%、食用のお米と同じくらいしか磨かずに「技術と田んぼを磨く」をテーマに酒造りをおこなう。
記念酒:テキーラの原料「アガベシロップ」を入れて発酵させたクラフトサケ

▼LAGOON BREWERY合同会社/新潟
クラフトサケづくりをはじめて半年。オーセンティックで日本酒の世界の奥行きを感じられるサケを醸す。
記念酒:日本酒の中でも最重要と言われる「麹」のみを使ったクラフトサケ

多種多様なクラフトサケを飲み比べて一緒に盛り上げよう!

それぞれの蔵の特色を生かしたオリジナルのお酒をMakuake(応援購入サービス)で応援購入できます。クラフトサケブリュワリー協会には20~30代の造り手もいて、酒小町メンバーとはまさに同年代。今後も目が離せません。

取り組みを応援して、お酒業界を一緒に盛り上げていきましょう!

Makuake:6つのクラフトサケ醸造所が挑む、日本酒とクラフトサケの未来を造るプロジェクト

企画協力

クラフトサケブリュワリー協会

・会長 岡住 修兵(稲とアガベ株式会社 代表取締役)
・副会長 佐藤 太亮(株式会社haccoba 代表取締役)、関 早希(株式会社WAKAZE)
・会計 齋藤 翔太(稲とアガベ株式会社 財務責任者)
・監事 田中 洋介(LAGOON BREWERY合同会社 代表)、細井 洋佑(株式会社ALL WRIGHT 共同代表)
・事務局長 柳生 光人(株式会社LIBROM)
Twitter:https://twitter.com/CraftSakebrew

酒小町制作メンバー

執筆:石川奈津紀(TwitterInstagram
編集:うりっぽ(TwitterInstagram

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